東野圭吾の「マスカレード・イブ」の感想などです。
ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。
Amazonより引用
マスカレードシリーズ第２弾。
前作の マスカレード・ホテル の前日譚です。
したがって、本作マスカレード・イブの方が時系列では先になるのですが、執筆はマスカレード・ホテルの方が先なので、まずはマスカレード・ホテルを先に読むことをおすすめします。
前作のメインキャラクターである尚美と新田のそれぞれの短編集からなっています。
２人ともまだほぼ新人ですね(^_^;)
短編集ということもありミステリー的には前作と比べると若干物足りなさがありますが、尚美と新田２人の人物像が深堀りされるので、前作を読んでいる人にはいっそう楽しめるかと思います。
また、マスカレード・ホテルへの伏線となる話も盛り込まれていたりするので、前作を読んでいるとニヤリとさせられます(￣ー￣)
以下、例によって軽くそれぞれの短編についての感想を。
ネタばれ注意で。
それぞれの仮面
尚美パート。
前作ではわりと完全無欠なホテルマンになっていましたが、ここではまだ新米のようで、前作と比べるとけっこうギャップがあっておもしろい。
わりとブラックですなｗｗｗ
そして、ここで出てくる元プロ野球選手大山将弘って、清原のイメージなんだよな〜笑
といったところがこの作品の印象。
尚美のホテルマンならでは？の洞察力で真相を暴いてしまうというストーリーですが、結果的には宮原が困るだけなので、解明する必要もなかったなという気もｗ
ルーキー登場
新田パート。
新田ってエリートだったのねｗ
ストーリー的には浮気がらみの殺人というわりとありきたりの話ですが、ミステリー的な展開もサクサク進んでおもしろかったです。
仮面と覆面
ふたたび尚美パート。
タチバナサクラという女性作家の話。
美人女性作家という触れ込みになっているが、実は中年のおじさんが正体。
と思いきや、実はその娘がタチバナサクラだったというのはおもしろかった。
また、熱狂的なファンたちがあの手この手でコンタクトを取ろうとする技もおもしろいｗ
とても良くできたストーリーだなと思いました。
マスカレード・イブ
尚美、新田の双方が登場しますが、ニアミスするだけで実際には顔は合わせません。
が、これが逆に味がありますな〜
ストーリー的にはいわゆる交換殺人モノですな。
一応短編扱いになっているけど、長編なみにボリュームがあっておもしろかったです。
そして、エピローグにはマスカレード・ホテルへの伏線サービス(^_^;)
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