鳥人計画 / 東野圭吾

東野圭吾の「鳥人計画」の感想などです。

「鳥人」として名を馳せ、日本ジャンプ界を担うエース・楡井が毒殺された。捜査が難航する中、警察に届いた一通の手紙。それは楡井のコーチ・峰岸が犯人であることを告げる「密告状」だった。警察に逮捕された峰岸は、留置場の中で推理する。「計画は完璧だった。警察は完全に欺いたつもりだったのに。俺を密告したのは誰なんだ?」警察の捜査と峰岸の推理が進むうちに、恐るべき「計画」の存在が浮かび上がる…。精緻極まる伏線、二転三転する物語。犯人が「密告者=探偵」を推理する、東野ミステリの傑作。

Amazonより引用

スキージャンプを題材にしたミステリー。
冒頭で天才ジャンパー楡井が殺されると、本人の独白という形で早々に犯人が峰岸であることがわかるのだが、そこからが本番。
峰岸に対して自首をすすめる手紙が届き、その後警察にも密告状が届く。
つまり、実は真相を知っている人間がいることが明らかになる。
峰岸自身も誰が真相を知っているのか分からず、通常の探偵役が犯人を探すというミステリーだけでなく、犯人である峰岸が密告者を探すというミステリーも同時に進行する。

後半は様々な伏線を回収しつつ真相が明らかになっていきますが、この真相が当初予想していたものよりも遥かに複雑でびっくりでした。
細かいところまでよく作り込まれているな〜と思いました。

以下ネタバレありの感想です。

まず最初の驚きは、峰岸に手紙を送ったのは片岡だったが、密告状を警察に送ったのは違う人物だったということ。
つまり、峰岸が犯人だと知っていたのは複数いたということですね。
うーん、完全にだまされました(/_\*)

峰岸がジムに毒を隠していたのを見ていたのは楡井自身だったということもびっくり。
まあ、ここは楡井のキャラクター設定にかなり依存するところではあるかな。
ちょっとなめてみただけとはいえ、普通毒だとわかっていて言うとおりにするかね〜

そしてここからが本当の真相。
実は杉江夕子は杉江泰介の命を受けて楡井に近づいていたのだとは!いやいやいやいや黒い!!
しかも、最終的に楡井を殺したのは杉江だったとは!!!
これは完全に予想外でした。
冒頭の描写で省略されていた間に真の殺人が行われていたとは!

本当によくできた作品だと思います。

しかし、杉江泰介は狂ってますな〜
まさに「鳥人計画」ですな。

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