殺人現場は雲の上 / 東野圭吾

東野圭吾の「殺人現場は雲の上」の感想などです。

新日本航空スチュワーデスのABコンビといえば、エー子こと早瀬英子、ビー子こと藤真美子の二人組。ルックスも性格も正反対の二人は社内でも有名な大の仲良し。しかし、二人がフライトで遭遇するのは奇妙な謎だった!?ホテルで殺された乗客、シートに残された赤ちゃん、遺書の落とし物…。聡明なエー子とおっちょこちょいなビー子の二人が推理に挑む!

Amazonより引用

7作品からなる短編集です。
なかなかキャッチーなタイトルですが、本格!という感じではなく、絵を書いたような凸凹コンビのエー子とビー子が活躍するちょっとバラエティーなミステリーという感じですね。
と言っても、お笑いに振り切れているわけでもなく、東野圭吾にしてはめずらしく中途半端(ある意味無難)だなと感じました。
例によってサクサク読めるので、少し空き時間のある時にでも読むのにおすすめですね。

以下、例によって軽くそれぞれの短編についての感想を。
ネタばれ注意で。

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ステイの夜は殺人の夜

エー子とビー子がフライト後にスナックで飲んでいると、機内で突然腹痛を訴えた客である本間が偶然を装ってやってきた。
これが実はアリバイ作りだったというストーリー。

少々雑な感じはありますが、なにげなく本間の服に付いていたパンくずにエー子が気付いたところからアリバイが崩れる場面はなかなかのものですな。
この伏線の張り方はうまいな〜と思った。

そしてなにより秀逸なのは最後のセリフ。

お客様が御搭乗になられる機は、あちらでございます

忘れ物に御注意ください

ベビー・ツアーという発想がおもしろいw
そして、このツアーの客があろうことか赤ん坊を忘れて帰ってしまう。
いや〜よくこんなシチュエーション考えつきますな。

もちろん赤ん坊を普通に忘れるなんてことはあり得ないわけで、これにはとても浅い理由が。
まあ小説だから気楽に読めるけど、これが現実だったらホントひどい話ですな。
単なるちょっとした勘違いを隠すためにこんなことをするとは。

ということで、最後は赤ん坊の忘れ物を偽装した女に仕返しをします。
面白い話だけど全然ミステリーっぽくないなw

はじめは赤ん坊を嫌がっていたビー子がいい味出しています。

お見合いシートのシンデレラ

CAの座るシートは客と向かい合っているので、「お見合いシート」と呼ばれているらしい。
あるフライトで、ビー子はこのお見合いシートに座っている時に中山という男性から声をかけられ、結果として偽装結婚することになるw
なかなかタイトルがしゃれていますな。

この偽装結婚の理由が、実はビー子そっくりの男性が性転換するまでの間のつなぎというのがおもしろい。
本当によくこんなの思いつきますな。

そして、この作品でもビー子はいい味出してます。

旅は道連れミステリアス

和菓子屋「冨屋」の旦那である富田が搭乗していた。
その富田はフライト後、ホテルで女性と一緒に死んでしまったというストーリー。
富田とその女性は何も接点がなく、なぜ2人で死んでいるのかは謎、、、だった。
が、富田は保険金目的で他殺に見せかけた自殺をしようとしていたが、肝心なところでその女性が部屋に入ってきてしまい、やむを得ず殺してしまい、その後自殺したというのが真相らしい。

なかなかミステリーっぽいのはいいのだが、結局最終的には富田は単なる殺人犯であるにも関わらず、当初の目的であった保険金目的に自殺がうまくいってしまいそうなのがかなりもやる。
巻き込まれて殺されてしまった女性が気の毒でならない。
そして、エー子とビー子がこれに加担するところで話が終わるので、かなり後味が悪い作品ですな。

とても大事な落し物

とても大事な落とし物とは、ズバリ遺書。
またおもしろいことを考えますな〜

ただ、結局最後の決め手となった親子の雰囲気とかどう名前を書いたらいいのか、、みたいな話は正直ちょっとイマイチだなと思った。
だいたいそんなことで遺書なんて書くかな。

遺書を落としたというのはストーリーとしておもしろかったので、ちょっともったいないなと思った作品。

マボロシの乗客

フライト中に会った女性を探し出したいがために、殺人の偽装までして脅迫する男の話。
最初にオチを書いてしまったけど、このオチはなかなか秀逸ですな。
まさかそんな理由で狂言したのだとは思わなかった。
そして、当の女性は結婚報告のためのフライトだったというオチw

狙われたエー子

盛岡のホテルで殺人事件が発生。
しかし、それとあわせて何故かエー子が車ではねられそうになる事件が起きる。
この理由が、エー子が先輩の北島に言った「おひさしぶりです」にあったとは!
いい伏線ですな〜

ただ、最後の終わり方は、なんかいい感じに終わらせようとして失敗しているような気がしてならない。
少なくとも自分にはピンとこない終わり方だったな。

おしまい。

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