しのぶセンセにサヨナラ / 東野圭吾

東野圭吾の「しのぶセンセにサヨナラ 浪花少年探偵団・独立編」の感想などです。

休職中の教師、竹内しのぶ。秘書としてスカウトされた会社で社員の死亡事故が発生。自殺にしては不自然だが、他殺としたら密室殺人。かつての教え子たちと再び探偵ごっこを繰り広げるしのぶは、社員たちの不審な行動に目をつける。この会社には重大な秘密が隠されている。浪花少年探偵団シリーズ第二弾。

Amazonより引用

しのぶセンセの第二弾にして完結?編。
前作同様、大阪の雰囲気満載なこともあってサクサクと読みすすめることができるのですが、自分としては 浪花少年探偵団 / 東野圭吾 でも書きましたが、正直コテコテの大阪弁やノリが苦手なので、そういった雰囲気があまり楽しめませんでした(/_\*)
逆に言えば、こういう雰囲気が好きな人にはかなりヒットする作品ではないかと思います。

なお、この作品をいきなり読んでも十分楽しめると思いますが、既に固まっているキャラクター像があるので、可能な限り前作から読むことをおすすめします。

以下、軽くそれぞれの短編についての感想を。
ネタばれ注意で。

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しのぶセンセは勉強中

ソフトボールの試合がきっかけで社長秘書にスカウトされ、そこで事件が発生!といったお話。
いやゆるIT化・電子化の弊害ですな。
この短編はなかなかおもしろかったし、ミステリーですね。
ソフトボールの試合からスカウトされることなんてあるか!という気はしますが笑

しのぶセンセは暴走族

しのぶセンセが教習所に通うお話。
これもなかなかのミステリーですな〜
そういう意味ではおもしろかったのですが、こんな危険運転手、しかもまだ仮免状態の人に運転させてしまうという点でとてもモヤモヤしてしまった。
このシリーズ、主人公のしのぶが破天荒キャラなので、こういうところが気になってしまう人にはおすすめできないかな、やはり。

しのぶセンセの上京

いきなりネタバレしますが、偽装誘拐もの。
子供が企てた上に素人が解き明かすという内容なので、いまいち緊迫感とかそういったものはまったく感じられなかったのですが、最後にどうして中西雄太達が偽装誘拐を企てたのかが明らかになるシーンはなかなか響きました。
そういう意味ではとても良い作品でした。

しのぶセンセは入院中

こちらもいきなりネタばれ。
偽札もの。
そういう意味ではミステリー色の強い作品だと思うけど、特にオチもないし短編としては少々イマイチだったかな。

しのぶセンセの引っ越し

この作品はこのシリーズには珍しくミステリー色が強い!
松岡稲子の家に強盗が押し入ったが逆に殺されてしまった。
通常であれば正当防衛となりそうな事件。
しかし、その殺されてしまった強盗は実はしのぶセンセの隣人で、内縁の妻とその娘・千鶴の3人で暮らしていた、というお話。
松岡と強盗との接点はまったく出てこず顔見知りではなかったようだが、実は松岡と千鶴は面識があることをしのぶセンセが千鶴の絵を見て気づいてしまう。
そこから依頼殺人的な真相であることが解明される。
なかなかなストーリーだと思うので、長編でも良かったんじゃないかなと思う作品でした。

しのぶセンセの復活

しのぶセンセが教壇に復活!
しかし、そこで担任を受け持ったが、前任の人気のあった先生が異動させられた後ということもあってなかなかうまくいかず悩む、、というお話。
これはもうミステリーと言うよりも教育ものですな!
ただ、異動の理由となった跳び箱事故の解明や前任の山下と芹沢勤の親子関係のようなミステリー要素も絡んでおり、最後はハッピーエンド。
しのぶセンセの締めの話としては、今後も普通に教師一本でやっていくのか!?と若干明らかにならない感じでの終了となったが、読後感的には良い終わり方だったと思います。

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