東野圭吾の「11文字の殺人」の感想などです。
交際を始めて二カ月が経ったある日、彼が海で亡くなった。彼は生前、「誰かが命を狙っている」と漏らしていた。女流推理作家のあたしは、彼の自宅から大切な資料が盗まれたと気付き、彼が参加したクルーズ旅行のメンバーを調べる。しかし次々と人が殺されてしまう事態に!『無人島より殺意をこめて』―真犯人から届いたメッセージの意味とは!?昭和だから起きた怪事件!
Amazonより引用
いわゆる連続殺人モノですね。
その謎の真相を主人公である女流推理作家の「あたし」が親友の冬子とともに解明していくというストーリー。
どうでもいいけど主人公に名前がないのって珍しいですな。
それはいいとして、「あたし」というのが気になって仕方ない。
なんで、「わたし」じゃないの!?
東野圭吾の作品らしく、序盤からいろいろと伏線が張られていて、バンバン殺人も起きるので犯人が予想しやすいタイプの作品かなと思います。
が、もちろんわかりやすい犯人ではなく、意外な人が犯人なわけで(^_^;)
自分は普通に騙されました(/_\*)
裏の裏の裏みたいな真相もあって、なるほど奥深いな〜という作品ですね。
ただ一つ残念なのは、タイトル。
「11文字の殺人」というタイトルですが、このタイトルにはほとんど意味がありませんw
11文字だからなに?って感じだし、「無人島より殺意を込めて」という文言は登場人物たちにとっては重要な文言だけども、読者的にはわりとどうでもいい話だし。
なんならこの文言がまったく出てこなくても大して影響ない。
もうちょっとタイトルはなんとかならなかったのかな〜というのが率直な感想です。
以下ネタバレありの感想です。
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この作品を読み進めていくと、まあ普通に考えると最初は行方不明となっている古沢靖子が犯人っぽいと思いますよね。
しかし、実は古沢靖子なる人物はクルージング・ツアーには参加していなかった可能性が高いことが分かると、誰かが入れ替わっているという可能性が出てくるわけです。
そうなると怪しいのは、選択肢的に春村志津子かな〜と思っていたら、まさにそのとおりw
しかし、それまでの対応からしてまったく犯人っぽくないよな〜と思っていたら、やはり犯人じゃなかったww
いいように翻弄されていますな。。。
しかも、冬子が殺されてもなお、同一犯だと思ってました(/_\*)
冬子の殺された状況からして、冬子がアリバイのために時計に細工をしたであろうことは予想できたのだが、犯人はそれでたまたまアリバイがあったのだとばかり思ってました(/_\*)
しかし、真相がわかってみれば納得の展開。
たしかに、「あたし」が会おうとする人がどんどん殺されていく展開を考えると、一緒に行動していた冬子があやしいよね。
そして、冬子のアリバイ作りはまさにこれまで同様殺人を行うためのアリバイ。
しかし、それを志津子+金井コンビが返り討ちにしたと。
なるほどね〜
いや〜それにしても、山森は黒い!!
最初のイメージは金持ちの奥さんに尻を敷かれまくっているダメダメな夫という感じだったのに、なかなかの策士ですな。
竹本幸裕が死んだと思われた場面は実は気絶していただけで、それにトドメを刺すべく竹本幸裕を海に流すとか、「あたし」が最初に山森に面会した時にはすでに「あたし」の裏の目的を把握していて、スポーツクラブの体験を促しつつ自宅の鍵を奪って合鍵を作っておくとか。
結局終わってみればこいつの思ったとおりに事が進んだわけなので、ここで終わりかー!!!と正直思った。
「あたし」は冬子にノンフィクションで一本書くと約束していたので、それを書いたところまでは続けて欲しかったな〜
やっぱり終わりは気持ちよく終わってほしいものです。
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