新参者 / 東野圭吾

東野圭吾の「新参者」の感想などです。
加賀恭一郎シリーズ第8弾。

日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。手掛かりをくれるのは江戸情緒残る街に暮らす普通の人びと。「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」。大切な人を守るために生まれた謎が、犯人へと繋がっていく。

Amazonより引用

加賀恭一郎が日本橋署へ異動。
日本橋の東京下町な人達との所轄らしい交流がそれぞれ章で描かれつつも、それぞれで一応オチらしきものがあり、ちょっとした短編集的な雰囲気のある作品です。
しかし、それらが実はすべて1つの事件に関係しており、最後は大元の事件が解決するというストーリー。
ちょっと今までの加賀恭一郎の雰囲気とは違うなと感じました。

それぞれの章の事件?のすべてが伏線となって最後に事件が解決する流れはとても気持ちがよいですが、本格ミステリーというよりはちょっとした謎解きと人間ドラマがという感じでですね。
一応それぞれの章は独立して読めるようになっているので、サクサク読めます。

以下、ネタバレありの感想です。

それぞれの章のショートミステリーチックなストーリーは良いのですが、肝心な大元の事件のトリックというか謎解きはちょっと微妙だったな〜というのが正直な感想。
絞殺するのにわざわざコマなんて買うかな〜
しかも、紐だけ処分してコマ本体だけになってしまったのを孫に見つかってしまって、後日紐を別途調達してコマを持っていく、というのはちょっと無理矢理過ぎるんじゃなかろうか。
どうしてもコマを登場させて紐の違いをストーリーに入れたかったのかな?

この辺はかなりイマイチでしたが、最後に岸田要作がなぜ横領などをしたのか。
本人はギャンブルと言っていたけど、これが実はクズな息子夫婦のためで、その真相を自らが同じような過ちを過去に犯した上杉刑事が聞き出す場面が良かった。
そして、最後のオチは、加賀が上杉刑事をペアとして選んだ理由を明らかにして終了。
オチも事件の謎やトリックよりも、人間ドラマ的な方がメインですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました