東野圭吾の「宿命」の感想などです。
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
Amazonより引用
本格派のミステリーですが、トリック云々ではなく特筆すべきはその根底にあるストーリーですね。
ただの幼い頃からのいわゆるライバルというわけではなく、まさに宿命。
単純に刑事と容疑者になるだけではなく、様々な伏線が最後に一気に繋がるさまは爽快です。
一連の真相を知る晃彦からの視点は最後以外はほとんどありませんが、主人公の勇作の視点はもちろん、勇作の元恋人で晃彦の妻である美佐子の視点からもいろいろと人物描写がされていて、ただのミステリーではないなかなかの人間ドラマになっています。
わりと初期の作品ですが、東野圭吾っぽいミステリーと人間ドラマが融合した作品だなと個人的には思いました。
傑作ですね〜
しかし、東野圭吾って脳の話好きですな( ̄ー ̄)
以下ネタバレありの感想です。
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最後のセリフ「君の方だ」。
この終わり方はいいですね〜
しかし、まさかこの二人が双子の兄弟だったとは思わなかった。
サナエも単純に仲の良かったお姉さんだと思ってずっと読み進めていたので、まさか2人の母親だったとはねぇ。
この辺の真相は本当に最後の最後で明らかになるのですが、全然わからなかった(/_\*)
ミステリーの方も、犯人は普通に晃彦だと思っていましたよ。
たしかにあからさまに怪しい書き方をしていたので、今考えるとこれはあからさまにオトリだよなーと思うけど(^_^;)
そして自分的に一番良いなと思ったのは、美佐子は絶対勇作と最後はくっつくのだろうな〜と思っていたのが、結局晃彦との再構築を選んだっぽいこと。
これは本当に意外!!
どこからどう考えても晃彦と美佐子は離れていく一方にしか思えなかったのだけれども、最後のシーンですべてを話すと晃彦が覚悟を決めたことにより、美佐子にも心境の変化が生まれた模様。
このハッピーエンドは予想外だけど素晴らしかった。
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