東野圭吾の「眠りの森」の感想などです。
加賀恭一郎シリーズ第2弾。
この作品も20年以上前に読んだのですが、改めて読み直してみました。
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。
Amazonから引用
まず最初に、バレーダンサーである斉藤葉瑠子が身元不明の男性を花瓶で殴り、殺してしまうという事件が起きます。
この事件では、身元不明の男性がバレー団の事務所に侵入して葉瑠子を襲おうとしたため、葉瑠子は思わず殴ってしまったという、いわば正当防衛を主張しています。
この事件の調査を加賀恭一郎が担当することになります。
この作品、カテゴリ的には完全にミステリーだと思いますが、恋愛ものと見ることもできます。
ただ、個人的にはどっちつかずの作品になってしまったかな〜とも思います。
加賀と美緒のラブロマンスとミステリーな部分は基本的には直接的には影響していないし。
ミステリー的な面で言えば、様々な伏線が後半に次々と繋がっていくさまはとても気持ちいいですね。
以下、ネタバレありの感想です。
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この作品、ちょっと調べた感じ誰も書いてないように見えますが、あのアガサ・クリスティのオリエント急行殺人事件的なちょっとアンフェアな叙述トリックになっていると思います。
つまり、関係者全員が犯行に関わっているというパターンですね。
実際には直接犯行を行ったのは美緒なわけですが、葉瑠子は美緒の代わりに殺人の実行犯として自首し、亜希子他の関係者は口裏を合わせる的な。
ただ、美緒が起こした第1の殺人と第2の殺人は関連がありながらも犯人がまったく異なったというストーリーがあることで、アンフェアな雰囲気にはならないのかな、と感じました。
結果的に、第2の殺人の詳細が明らかになっていく過程で第1の殺人の詳細が見えてくるあたりは本当によくできていると思います。
しかし、最後の最後に一点大きな不明点が。
最後に加賀と美緒はいかにもくっついて終わっているように見えるのですが、東野圭吾の以降の作品を見る限りでは、そうなってはいないように思えます。
加賀はずっと独身だし、美緒の話もそれ以降出てこない気がする。
結局、これってどういうことなの!?
まさか美緒は結局悪質な殺人ということで、何十年レベルの懲役になったということか!?
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