天気の子

録画していた天気の子を観たので軽く感想を。

まず絵について。
背景が異常なほどキレイで、建物などは現実に忠実。
これは当然現地を撮影してそれを元に描いたのだとは思うのだが、普通に描いたのだろうか?
写真をCGに変換してそれをベースに修正を入れていったのでは無いか?と思うレベル。
この点については素直にすごいと思った。
しかし、それに比べると人物の描写は一昔前とあまり変わらない印象で、はっきり言えば背景と比べてクオリティが低く、アンバランスに感じてしまった。
背景のクオリティが良ければいいというわけでもないですな。

次にストーリーについて。
ここからネタばれもバンバン出ます(^_^;)

新海誠監督の作品は某パクリ作品と秒速5センチメートルの続き3作品目(君の名は観てない(/_\*))だが、3作品目にして初めて全体的なストーリーは良いと良いと思った。
しかし、自分的には以下の点が気になり、結果的にこのストーリーを活かせない作品になってしまったのではないかと感じた。

  • 東京という現実世界を舞台にしており背景の描写は非常にリアルだが、未曾有の大雨だというのに切迫した雰囲気がまったく感じられない
  • 上記にも関連するが、それぞれの人物の心情について描写しきれておらず、それぞれの行動に説得力が感じられない
  • しかも、最終的に東京が水没してしまうという結末になるが、そんなことは現実的には起きそうにもない話なのでピンとこない

つまり、一言で言えば作品の世界へまったく引き込まれなかったということですな。
言い換えれば、ストーリーは良かったけど演出がイマイチということになるのかな。
いずれにしても、このストーリー的には最後は東京を水没させてまで1人の女の子を選択したわけだからある種の感動があって然るべきだと思うのだが、残念ながらまったくもって感動できなかった。残念。

そういう意味では、なぜ新海誠監督はあえて東京という現実世界を舞台にしたのだろうか?という疑問が残る。
そもそもが気象を変えることができるというファンタジーな話なので、どこぞの架空の世界の話とかにしてファンタジーに徹したほうが良かったのではないかという気もする。
現実世界を舞台にするメリットは、リアルさの追求やそこから来る臨場感的なものになると思うが、そういった描写はほとんど感じられなかった。
つまりは舞台の設定と描写内容に一体感が感じられず、中途半端にリアルな設定という印象が残ってしまった。
これは結局のところ、東京という身近な存在である場所がどこか知らない似て非なる場所の話であるかのように感じられたという結果になってしまった。
逆に、架空の世界の話なのであれば舞台は如何様にも設定できるわけだから、現実世界に囚われずにいろいろと趣向を凝らすこともできたはず。

というわけで、もう少しリアルさを追求するか逆に架空の世界の話とするかなどとして、もっと緊迫感のある内容にできると良かったのでは?と個人的には思ったちょっと惜しい作品でした。

おしまい。

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