怪しい人々 / 東野圭吾

東野圭吾の「怪しい人々」の感想などです。

友人に部屋を貸した翌朝、見知らぬ女がベッドで寝ていた。その上、彼女はとある理由で「俺」の部屋に居座り始め…。(「寝ていた女」)工場の休憩室で係長が殺された。しかし発見当時、入口の戸には鍵がかかっていて…。(「死んだら働けない」)登場人物全員が“怪しい”ヤツだらけ!エンタメの頂点を極めた著者が贈る、珠玉の短編集。斬新なトリック満載の全七編を収録。

Amazonより引用

全7編からなる短編集。
どの辺が「怪しい」のかはちょっと分からなかったですが、若干普通とは違う少々クセのあるミステリーですね。
どの作品もそれなりのオチが用意されていておもしろかったです。

以下、例によって軽くそれぞれの短編についての感想を。
ネタばれ注意で。

スポンサーリンク

寝ていた女

自分の部屋をラブホ代わりに友人に貸していたら、ある日知らない女が寝ていたという話。
いや、自分もラブホ代わりに部屋を貸してたことがあるので他人事じゃないですなw
しかし、この女が単なるバカ女ではなく目的を持ってこんなことをしていたというストーリーにビックリ。
そして、若干マドンナ的な存在っぽかった広江が黒すぎてさらにビックリ。
いや〜女はヤバい。

もう一度コールしてくれ

老人宅を強盗して逃走中の主人公。
なぜか逃げ込んだ家は深い因縁がある家だった。
その因縁は、、、、なにかと思ったら野球の話で、主人公がセーフだと思っていた走塁をアウトと判定した審判がこの家の住人だったらしい。なんだそりゃw
たしかに高校野球の結果次第で人生が変わる可能性はあるな〜とは思った。
この主人公のように暴走してアウトとなって試合終了!とか最低な終わり方だしな〜
で、結局のところ、最後の一文からすると自分自身もアウトだと認めたのか!?

死んだら働けない

これはもう少しいろいろと膨らませたら長編にできたんじゃないかなという作品。
でも、ややブラックだし、これくらい短編でスパッとぶった切るくらいの方がいい気がしないでもない。
働き方というものを考えさせられますな〜
しかし、テレビが見たいからって殴るかねw
まあ気持ちはわかるけどね。
仕事最優先で他人もそうだと思って巻き込む人というのはホント迷惑だ。
で、結局殴られた方は死んでいなかったのだけれども、状況的に会社に対してまずいことになっていたので隠蔽工作をしてたらホントに死んでしまったというのが真相。
仕事はほどほどにして身体を大切にしなさいという話ですな。

甘いはずなのに

まさかのどんでん返しからのどんでん返し。
妻を殺してしまったかと思いきや、実は途中でやめていたという叙述トリック。
そして、実は妻が主人公の娘を殺したのだと思いきや、妻は完全無欠に良い人だった。
さらに言えば、実はやむを得ないとは言え主人公の行動が娘を殺してしまったのが真相だったとは。
結果的にはハッピーエンドでめでたしめでたし。
個人的には傑作だと思います!

灯台にて

まさかのホモネタwww
主人公が灯台守にホモられそうになった描写はなかなか鬼気迫る感じで、助かった時にはホッとしました(^_^;)
しかし、それだけではなく、その経験を生かして、主人公にとって非常にウザい存在の幼馴染をその灯台守にけしかけ。。。
結果は、その灯台守は射精後に殺されたらしい!?
ということで、主人公と幼馴染の立場が逆転していい関係になったというお話。
めでたしめでたし?
いや〜これもブラックですな。

結婚報告

友人から結婚報告が送られてきたが、同封されてきた写真の新婦はなぜか友人ではなかったという話w
いや〜これはびっくりしますな。
結果的には、典子の夫昌章の元カノが殺されてしまうという事件にまで発展しまっていて、なかなかな真相ですが、とにかくこの殺されてしまった元カノがかわいそうですな。
まあ、勝手に人の家に押しかけてきたのだから自業自得とも言えるけど、完全にとばっちりを受けた形。
しかし、蝶の標本なんて盗みに来るかね〜
しかも、その上見つかったら殺すとか。

コスタリカの雨は冷たい

いや〜まさか警官が共犯だったとは!!
「コスタリカ」って固有名詞出しちゃってるけど大丈夫なのだろうか?
これ実話なのかな??
実話じゃないと名誉毀損な気がしないでもないが。。
正直事件の真相が判明するまでのストーリーはイマイチ感がありましたが、それはともかく、海外で身ぐるみ剥がされて命からがら返ってきたシチュエーションでの最後のお隣のばあさんの張り紙はなかなか感動的です。

おしまい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました