黒笑小説 / 東野圭吾

東野圭吾の「黒笑小説」の感想などです。

作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくて欲しくてたまらない。一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。そして遂に電話が鳴って―。文学賞をめぐる人間模様を皮肉たっぷりに描いた「もうひとつの助走」をはじめ、黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。

Amazonより引用

おふざけ?シリーズ第3弾の短編集です。
今回も若干ブラックなユーモアのある作品たちで、個人的には大好きです。
まさに黒笑( ̄ー ̄)
序盤の4作品が文芸の世界を舞台にしているのが今回の特徴ですね。
いずれも傑作揃いです。
今後もこのシリーズ続けてほしいなw

以下、軽くそれぞれの短編についての感想を。
ネタばれ注意で。

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もうひとつの助走

文学賞の選考会当日のお話。
実はこのあとこのシリーズですっかりおなじみとなる寒川先生の登場ですw
いや〜この人ホントに残念な人で笑えますwww
そして、この作品は最後のオチが本当にお見事。
最初に張っていた伏線はそういうことですか。
自分的にはこの作品は傑作中の傑作です( ̄ー ̄)
ただ、「もうひとつの助走」というタイトルの意味が正直よくわからなかった。。。
なので、まだきちんと理解できていない可能性あり(/_\*)

線香花火

新人賞を受賞した新人の話。
勢い余って会社を辞めてしまうは知り合いには広めまくるは、、、しかし編集部ではボロクソ言われているというw
いや〜ブラックですね〜
主人公熱海圭介はこのあともこのシリーズで出てきますので要注意です笑

過去の人

線香花火から1年後の話です。
熱海氏がさらにいろいろやってくれますw
次から次へと新人が出てくる作家たちの大変さがさりげなく描かれているのも興味深いです。
熱海氏はすでに過去の人になってしまいました(^_^;)
寒川先生は当然過去の人のようですw

選考会

またもや寒川先生登場!
いや〜この作品もブラックですな。
選考委員を依頼した見せかけて実はふるいにかけていたとか。
そっちの選考かよ!ひどいw
そして、見事に寒川先生当選でございますwww

巨乳妄想症候群

くだらないとしか言いようがないw
突き抜けてますな〜
しかし、残念ながら自分は巨乳はまったく興味がないので、オチにはまったく共感できず。
そういう意味では唯一イマイチな作品だったかも。

インポグラ

下品極まりないタイトルで連続のシモネタですが、内容はなかなかに奥深い。
インポになる薬なんてなんの役に立つんだ、、と普通に思いましたが、いやいやいやいやいろいろと需要はあるのですな。
まあくだらない話ですが、いろいろ突き詰めていっておもしろい。
そして、最後は主人公がインポグラに悩まされてしまうというなかなか秀逸なオチ。

みえすぎ

シモネタじゃないけど、見えすぎてしまって空気中の粒子まで見えて気になってしまうという、これまたくだらない話w
しかし、そこからいろいろ出てくる発想は本当におもしろいですな。
ただ、オチは軽く伏線回収しましたというレベルだたのでいまいちだったな〜

モテモテ

モテモテスプレーというまたくだらなさすぎる発明の話。
くだらなさの極地なのに微妙に科学的なのも笑えるw
そして、すごいのは主人公は平凡でキモいわけでもないのに圧倒的なもてなささ。
モテモテスプレーというノーベル賞レベルの強力なアイテムをもってしてもなかなかうまくいかないとは。
しかし、物量作戦が功を奏して最後はハッピーエンドか、、、と思いきやさすがは黒笑小説。
ブラックですな〜
しかも最後にさらにオチがあるとは。
この主人公のもてなささは本当に恐るべし!

シンデレラ白夜行

皆さんご存知シンデレラに東野圭吾の白夜行をミックス!
要するにシンデレラが雪穂風味に。
いや〜黒い!!
よくこんなの思いつくなwww

ストーカー入門

無理やりストーカーをやらされる話。めちゃくちゃですなw
これでどういうオチになるのかと思ったら、、、、ストーカーされるのもステータスなのですな〜
というか、主人公の彼女もストーカーされていなかったんだから残念な人だったのかw

臨界家族

いや〜この話はよくできています!
おもしろおかしく書かれているけど、これ当事者は大変だよな。
周りの子供達がみんな持っているのであれば、自分の子供にもなるべく買ってあげたいだろうし。
買ってあげないと一緒に遊べないか、役割的に下っ端役しかできないし。
とは言っても、際限なく買ってあげるわけにもいかないしね〜
いや〜悩ましい!!

といったあたりを逆手に取って戦略を練る企業側はブラックですな〜
でも、実際ここまでブラックではないにしても、同じようなことを企業の戦略室とかはやっているのだろうな〜という気もする。
実際どうなのだろう?

笑わない男

御冗談をって。オチがキレイすぎるw
オチがキレイすぎてお笑い芸人の2人が可哀想過ぎるwww
オチの教科書にしてもいいんじゃないかと思うくらいの正統派のオチですな。

奇跡の一枚

これもブラックですな〜
奇跡の一枚!って。ひどいにもほどがあるw
まあ、本人も認めているので仕方がないが。
ただ、自分は心霊現象的な話はあまり受け付けないので、最後のオチはちょっといただけなかったかな〜
そして、黒笑小説に感動はいらないでしょう。

コメント

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