東野圭吾の「禁断の魔術」の感想などです。
姉を見殺しにされ天涯孤独となった青年。愛弟子の企てに気づいたとき、湯川がとった驚愕の行動とは。!
Amazonより引用
かつて湯川が指導した、高校の物理クラブの後輩・古芝伸吾が帝都大に入学してきた。だが彼は早々に大学を中退してしまい、その影には彼の姉の死が絡んでいたらしい。その頃、フリージャーナリストが殺された。その男は代議士の大賀を執拗に追っており、大賀の番記者が伸吾の死んだ姉であったことが判明した。草薙は伸吾の姉の死に大賀が関与しており、伸吾が大賀への復讐を企んでいると警戒する。湯川はその可能性を否定しつつも、伸吾が製作したある“装置”の存在に気づいていた。「私は君にそんなことをさせたくて科学を教えたんじゃない」――湯川と愛弟子の対決の結果は!?
単行本『禁断の魔術』では中編(250枚)「猛射つ」として発表された作品に、200枚超加筆する文庫オリジナル長編バージョン。
ガリレオシリーズ第8弾。
湯川の後輩が登場します。
冒頭の紹介文の通り、この後輩が禁断の魔術なる技を使って良からぬことを企むわけですが、、、いろいろと感想書こうとするとすぐにネタバレになってしまいそうですな。
これまで通りのガリレオシリーズの面白さを踏襲しつつ、最後はちょっと出来すぎだろうと思わせるレベルの感動のフィナーレ。
フリージャーナリスト殺害の真相も若干意外ながらも辻褄がピッタリあっていて良い感じでした。
オリジナルが短編だったとは思えないいい作品ですね。
以下ネタバレありの感想です。
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湯川の後輩小芝の父がとにかく格好良すぎますね。
「科学を制するものは世界を制する」くらいの発言だけならそうでもなかったけど、過去に地雷を作っていたことを後悔した後、地雷撤去の仕事に移るあたりの話はほんとに感動モノ。
たしかに、小芝を説得するにはこれしかないというくらいの破壊力がありますね。
しかし、最後の場面はそれでも小芝が発射を指示していたら湯川はどうしたのだろうか。
まあ、キャラ的には発射するのだろうし、お話的には外れちゃいました!みたいなオチな気がするけど、そっちに倒れた時の話も読んでみたかったな〜
いずれにしても、最後の場面は緊迫感もあってとても良かったと思います。
ほとんどそれが全てでもいいのだけれども、フリージャーナリスト長岡殺害事件について。
まあ、普通に小芝が犯人じゃおもしろくないので若干怪しい気はしていたけど、反対運動の中心勝田が犯人だったとはね。
こいつほんとクズだよね〜
こういうのを書かせても東野圭吾は上手いな。
それとは逆に、超悪者感満載だった大賀が、後半は意外とまともな人物として描写されていたのがちょっとおもしろい。
これは、大賀がほんとに救いようのない大悪人だった場合には、なんで小芝撃っちゃわないんだよーーーという感情が芽生えてしまうから、なのかな?
いずれにしても小芝の姉を見殺しにしたのは間違いないのだが、いろいろと救いのある人物であれば、小芝がレールガンを撃たずにめでたしめでたしとなりやすいし。
この辺も感動につながっているのだと思いました。
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